Heart Art
あわただしい日々だから、心の琴線が揺れる瞬間をたくさん持ちたい。
刺激と感動は,みずみずしさを失わないための大切なスパイスだから・・。
素敵な小説や映画、絵画や音楽。
ときめきをくれた作品を紹介していきたいと思います。
をんなが付属品をだんだん棄てると
どうしてこんなにきれいになるのか。
年で洗われたあなたのからだは
無辺際を飛ぶ天の金属。
見えも外聞もてんで歯のたたない
中身ばかりの清冽な生きものが
生きて動いてさっさと意欲する。
をんながをんなを取りもどすのは
かうした世紀の修行によるのか。
あなたが黙って立っていると
まことに神の造りしものだ。
時時内心おどろくほど
あなたはだんだんきれいになる。
智恵子との出会いを後に光太郎は次のように述べている。
「丁度その少し前に長沼智恵子にあった。
柳敬助の細君の八重子さんが紹介したのである。
長沼智恵子は福島県日本松在の酒造家の長女で、目白の日本女子大家政科に学び、柳八重子(旧姓橋本氏)の後輩であった。
在学中に絵が好きになり、画才を認められて、卒業してからも東京に留まり、太平洋画会に通って画の勉強をしていた。
....幾度か会っているうちにこの女性が私に熱愛を持つようになり、又私も、これまで会った多くの女性とまるで違う女性、長い間精神が探し求めていた女性がこの女性だと思うようになり、ぱっと人生の窓がひらいた。
私は急に変わった。
今まで何であんなに汚く遊んでいたのであろうと感じだし、
昨日までのやけ酒や、遊びがまるで色あせてしまい、
ただこの女性の清新な息吹に触れることだけが喜となった。
酒を飲むことはやめなかったが、飲むいわれがまるで違ってきた。
私の精神も肉体も洗われるように清められ、これまで気もつかなかった力が心の底から芽生えて来た。
この女性が私を信じる力の強さで
私ははじめて自分で自分の本性を見ることが出来た。」
あなたはだんだんきれいになる
狂気の中で無垢になっていく智恵子を
そんなにも愛情深く、見守っていた光太郎。
手放すことで、磨かれる。
何も付属品のない自然のまま
をんな、を生きる。
自然に惹かれ
自然を欲するけれど
人もまた自然なり。
あるがままに
ありのままに
ありたいように。
あろうとするのではなく
ただ、あるままに。
詩の言葉と
生涯をかけた光太郎の愛が
飾ることでは得られない真の美しさを
まぶしいまでに感じさせる。


コメント一覧
「智恵子抄」は、母が大好きで、
私が少女 (!) の頃によく吟じ聞かせてくれました。
あるがままの無垢な智恵子と
彼女をひたすら愛する光太郎、
それを娘に語る母は、とてもかわいらしかった。
そんな母と 今日
ゆっくり話をしてきますね。
投稿者: nawo | 2006年07月11日 12:52